シロアリ腸内共生原生生物のヒドロゲナーゼの性質から腸内共生系における水素生成機構の解明を試みた。イエシロアリ腸内の原生生物群のEST解析によりヒドロゲナーゼと推定される遺伝子を複数得た。パラバサリア門Pseudotrichonympha属原生生物由来の２種類の配列は、それぞれTrichomonas vaginalisなどのFe-ヒドロゲナーゼに近縁であった。このうち一つの遺伝子はヒドロゲノソーム移行シグナルと推定される領域が存在し、大腸菌による異種発現酵素は比較的低温での活性が高く、水素Evolution型活性を検出したがUptake型活性は検出できなかった。